転職関連のサイトを考えていると「転職するなら28歳まで」「35歳を超えて転職するのは難しい」といった話を聞きませんか。
民間企業から民間企業への転職でも年齢のことを言われる世の中。年齢を重ねた教師が民間企業へ転職するのは難しいのでしょうか。
結論からいうと、転職に必要なスキルさえあれば30代40代の転職でも十分に可能です。ただ、企業側が期待しているスキルを知らないとなかなか希望する企業への転職は難しいかもしれません。
この記事では、年代によって求められるスキルが違うことや転職企業に置ける適正年齢について、高校教師歴10年以上勤めて転職した経験を持つ松梅タケが詳しく解説します。
目次
民間企業からみた元教師のイメージ
教師は転職が難しいという意見もあります。民間企業に勤めている人事担当からみた元教師のイメージはどのようなものなのでしょうか。
あくまでも一般的なイメージですが、元教師についてのイメージは下記のような印象を持たれているようです。
- 教師は世間ズレがひどい
- 受け身のスタンスで積極性が感じない
- 会社の利益のために働くという意識が低そう
- 教師の振る舞いは横柄な態度に見られることも多い
- お金や利益に対する意識が低い
- 長時間勤務に慣れ過ぎている
- 教師のような安定・高収入を求められても困る
しかし、これらはあくまでも一般的なイメージ。能力の問題はあまりなく、教師という職業の先入観を意識できていれば転職しても問題ないということでしょう。
下記の記事では、教師と民間企業とズレているポイントについて詳しく説明しています。
転職を考えているのであれば「ズレ」はできるだけないほうが転職には有利でしょう。
参考:
教師が民間企業とズレているポイントとは?
ビジネス感覚を身につけたい教師がまず読むべき本3冊
年齢を重ねた教師の転職が厳しいのは求められるスキルのせい
まず、最初に知っておいてほしいことが「基本的に転職に年齢制限はない」ということです。教師の転職が厳しいのは、年代によって企業側の求めるスキルが違うからです。
35歳以上の転職者は少し難しいと言われていた時代もありましたが、終身雇用制が崩壊している今、転職はキャリアアップなどポジティブなイメージもあります。
業績の落ちた会社や、自分の力を十分に発揮できない会社、ブラックな環境が当たり前の会社にしがみついている時代ではないのです。総務省統計局|労働力調査をみても、40歳以上の自己退職者や転職成功者の数も増えています。
しかし、教師から転職をした経験者である私がみた転職の現実は、やはり簡単ではありませんでした。
転職をしようと教師を辞めたものの、やっぱり現実は厳しかった!と思わないために、転職前に知っていてほしい年代別スキルについて説明しましょう。
参考:
総務省統計局|労働力調査
総務省統計局|2022年(令和4年)1月分労働力調査 (基本集計)
20代の転職に必要なスキルは?
20代の転職に必要なスキルは、「素直さ」「仕事に向かうスタンス」などです。
採用する側の企業としても20代だったら即戦力が助かるものの、先を見据えて自社で教育をしようとしてくれます。
20代であれば指導してくれる先輩がつくことも多いでしょう。先輩といっても自分の年齢よりも年下の場合もあります。だから、必要なスキルは指導しやすい「素直さ」「仕事に向かうスタンス」を重視します。
「年下から仕事を教わるのはちょっと…」というスタンスであればうまくいかないこともあります。
教師の経験や社会人経験があるといっても民間企業で働いた経験がないので「0から教えてもらう」というスタンスで新しい職種に挑戦してください。

30代の転職に必要なスキルは?
30代になると、採用する側の企業としては当然「即戦力」や「マネジメント能力」になる人を採用したいと思っています。同じ業界からの転職である程度のノウハウや人脈を持っていると転職に有利です。
しかし、その点教師から民間企業への転職の場合は即戦力になることは難しく、少し不利ですよね。
30代も後半になると係長や課長クラスのスキルが必要です。係長という役職は会社の中堅クラスで後輩を指導する力や部下をまとめるマネジメントスキルが必要ですので、学校で言えば主任や分掌長などを経験していないとかなり不利かと思います。
教師はリーダーシップやマネジメント能力をアピールできる仕事です。会社独自のノウハウは教えてもらう必要がありますが、今後の新人指導に必要なスキルはアピールできるはずです。
転職の際には「この仕事は教師のときのスキルをどう生かせるか」を考えてみるといいですね。
40代の転職に必要なスキルは?
40代の転職に必要なスキルは、即戦力になる「専門知識」と「資格」です。
40代の中途採用はキャリアアップ(特定の業界でキャリアを高める)が多く、キャリアチェンジ(未経験の業界への転職)は少ない傾向にあります。
40代にもなると、教師と同じ年収を民間企業でキープするのはだいぶむずかしいかもしれません。
それでも40代となると「年収を少し下げてもなかなか転職が決まらない」なんてことも起こりえます。
そんなときに有利になるのが資格です。
金融系の資格など、キャリアチェンジといってもある程度の知識は持っておく必要があることを知っておきましょう。転職前に希望する職種のことが理解できるような資格を取っておくとプラスの評価がもらえます。
転職市場における適正年齢とは?
35歳でも40歳でも、条件さえ合えば転職可能です。
冒頭でも伝えた通り、転職市場では「35歳」が限界だといわれていたことがありました。
しかし、いまは違います。企業側と自分の条件が合わないことがありますが、年齢による判断よりも「その人にしか出来ない仕事がある。」という能力重視の傾向が強く見られるようになりました。
転職で有利になるポイントは「事前準備」と「資格」
転職は年齢ではありません。転職が有利になるポイントは「事前準備」と「資格」です。
教師は民間企業で働くためには不足しているスキルがあります。教師を辞めて転職をする前に計画的にスキルアップを目指しましょう。
下記で紹介している資格は転職にはもちろん、日々の業務にも活かせるものです。勉強するだけでも、日々の生活に役立つものが多いので是非参考にしてください。
もう1つは「計画性」です。具体的には、転職活動に失敗しないための事前準備です。
大切なポイントは
- 自己分析や退職後のビジョンを明確にしておくなど、情報を整理
- 平日休みや土日に活動できるように、仕事量を調整する
- 本当に教師を辞める選択肢が最善なのか考える
- 表現の言い換えを意識する
転職成功のポイントは、教師からの転職で不安に思うことを時間をかけて1つ1つ解消していくことです。
転職が失敗しないための準備は、下記の記事で紹介しているので参考にしてください。
参考:30代元教師が実感した、転職が失敗しないための必要な「準備」とは?
まとめ|年齢を重ねた教師でも、スキルさえあれば転職は可能
この記事では、民間企業からみた元教師のイメージや転職のときに必要なスキルを年代別に紹介しました。
特に

という疑問についての回答は
という結論になることがお分かりいただけたと思います。
年齢を重ねていても転職することは可能です。そして、教師を続けながらでも転職でアピールできるような経験やスキルの構築は可能です。
もし、教師から民間企業に転職を考えているのであれば年齢にあった自分のスキルを持つべきです。
コロナ然り、ウクライナ侵攻然り。
10年後はおろか、1年後ですらどうやっているかわからないのが人生です。
いざというときに「こんなはずじゃなかったのに…」とならないように、今から経験やスキルの習得・情報収集を始めていきましょう!
YouTubeも始めましたので、記事と合わせてご覧ください。