この記事では、高校教師歴10年以上の松梅タケが高校教師が教師を辞めたくなる理由と解決策についてまとめています。
「こんな理由で教師を辞めたいけど、どうやったら解決する?」
「教師をしていてこんな悩みがあるんだけど…自分だけ?」
高校の教師を辞めたいと感じる理由について、それぞれの解決策をしっかり知っておくと、教師を続けるにせよやめるにせよ、今後の自身がどうすべきか判断できるようになります。
参考:教師を辞めてよかったこと5つ!【校種・年齢まとめて解決】
動画でも解説しています。
目次
高校教師を辞めたいと思う理由トップ3
高校教師を辞めたいと思う理由トップ3を紹介します。
- 人間関係のストレスやトラブル
- 非常勤講師で将来に不安
- 授業に自信が持てない
上記のような結果になり、高校教師を辞めた人の多くが上記のいずれかの理由に当てはまるようです。
特に人間関係のストレスやトラブルはニュースになることもあるので、知っている人も多いのではないでしょうか。
まだ高校教師を辞めていない人のなかにも同じような悩みを持っている人がたくさんいるはずです。
1つずつ確認してみましょう。
理由その①人間関係のストレスやトラブル
高校教師を辞めたい理由の1位は、やはり人間関係のストレスです。
これは教師に限ったことではありません。しかし、教師は「上司・同僚」「生徒」「保護者」との関係があります。
高校生にもなると、子どもというよりも1人の大人に近くなります。大人と子どものはざまで、教師に対する当たりがきつくなることもあるでしょう。
最近では、教師の暴力やハラスメントにも厳しくなっているので「スカート丈を注意された」「部活の指導で手が触れたら嫌な顔をされた」などの問題にも注意しなくてはいけません。
昔の熱血教師のような態度をとっていたら「モラハラ」「パワハラ」などといわれてしまいます。そういう面でも教師と生徒の距離感が難しくなっています。
教員は長時間同じ空間で過ごすことがとても長いので、職員室内の人間関係が密になり、ストレスにつながりやすいことも人間関係にストレスを感じる大きな一因です。
授業を終え、職員室に帰ってくると愚痴や文句ばかりの同僚、お局のような存在のベテラン教員がいるので決して気持ちが落ち着く場所ではありません。
職員室に居づらくて、空き教室を探す先生もいますよね。
参考:長時間勤務をしていた教師が、定時で帰るために工夫したポイントのまとめ
理由その②非常勤講師で将来に不安
高校教師の中には正規教員のほかに、非常勤講師がいます。
正規教員も非常勤講師も同じ教員免許を持っている先生ですが、その雇用形態は全く異なります。
正規教員は会社でいうと正社員、非常勤講師は契約社員や派遣バイトのようなものです。
参考:常勤講師を続けようか悩んでいる先生へ、メリット・デメリットのまとめ
非常勤講師は、私立の中学・高校に多く、担任や生徒指導・学校行事などには参加せず教科の授業のみを行う先生です。受け持ちの授業のコマ数は契約した仕事内容で決められています。残業や授業以外の雑務がないのが大きなメリットです。
雑務が少ないので、授業に集中できるというメリットはあるものの、デメリットも多い働き方です。契約時間によっては収入は低く、さらに国民健康保険への加入は個人負担です。年金に関しても、厚生年金に加入できないケースがあります。
雇用状態も安定しているとはいえず、多くの非正規教員は不安を抱えながら仕事をしています。いつ雇用が終了するか分からない状態では、不安だと感じる人も多く、2校以上で勤務もしくは塾の講師などとを掛け持ちしている人もいます。
理由その③(授業困難校などで)授業に自信が持てない
高校教師を辞めた理由に「授業に自信が持てなかった」という人は意外とたくさんいます。
- 授業を聞いてくれない
- 注意をしても、生徒が静かにならない
- 授業の準備が間に合わない
- 生徒の偏差値が高く、ふいの質問に対応できない
高校は、塾に行っている子や勉強が苦手な子など、授業の難易度をどこに設定するのかという判断も難しいでしょう。
チャイムがなっても席に座らない子や、将来を見据えた大学受験を控えた子が1つの教室にいます。学習レベルの違う、多感な時期の生徒を相手に満足いく授業をすることはとても難しいことです。
高校のレベルや土地柄にもよりますが、授業困難校や学級崩壊したクラスなどを任されてしまうと授業は思うように進みません。
また、偏差値の高い学校で勉強に熱心な生徒が多いと突然の質問にうまく対応できない先生もいます。レベルに合わせた授業ができず授業の準備が大変です。
解決策|高校教師を辞めたいと思ったら始めること
教師の仕事は、十分なやりがいはあるものの、拘束時間も長くしんどいことも多いです。
この記事を読んで、「高校教師はみんな同じ悩みを持っているんだな」と思った人もいたのではないでしょうか。
それでも「ちょっと仕事を続けるのがツラいな…」と思ったら下記のような順番で解決策を探してみましょう。
- まずは周りに相談
- 異動届を提出する
- 有給休職を申し出る
- 転職サイトに登録
「やっぱりツラいなぁ」と思ったら、何がどうツラいのか周りの人に相談してみましょう。人に相談することで自分の置かれている状態を客観的に整理して考えることができます。悩みをアウトプットすることで頭の整理になって、スッキリする人もいるでしょう。
人に相談したもののなんだかまだしんどいという人は、異動届を提出するのも解決手段の1つです。学校が変われば、待遇や雰囲気も変わります。
人間関係も良好になる場合も多いでしょう。
辞めたい理由が「人間関係のストレスやトラブル」や「(授業困難校などで)授業に自信が持てない」などの場合、異動によって改善されることがあります。
異動届が受理されない、もしくはそれまで待てないという人は、まとまった休暇を取って心も身体もリフレッシュしましょう。
授業があるのに休みにくいという人もいるかもしれませんが、公立の高校であれば公務員の扱いになるので悩んでいたよりもすんなり休みがとれることもあるでしょう。
もし、休みが取れなかったら仕事を休職しようというくらいの気持ちでいいと思います。学期の途中でも休職や退職は可能です。
参考:教師を辞めずに続ける方法はある?経験談を交えてお話しします
教師から民間企業への転職ももちろん可能です。同じ業界でいうと塾講師や教材関係の仕事もあります。もちろん違う業界でも、転職はできます。教員として培った経験を生かせる仕事もたくさんあるので安心してくださいね。
教職についている人は真面目な人が多いので、精神的に追い詰められてしまう前に転職することをおすすめします。思い切って新しい一歩を踏み出してみませんか?
実際、転職するにしてもしなくても転職サイトに登録しておくだけで「もう少しがんばろう」とか、「いい仕事が見つかるまでのつなぎ」だと思えるので気が楽になります。
転職サイトは無料で利用できるところがほとんどです。登録後も情報を見るだけで、結果的には転職はしないというのも全然問題ありません。ぜひ検討してみましょう!