教員不足の現状で、教師を続けるべきか否か

教師不足の今、教師を続けるべきか辞めるべきか

教員はやりがいがあってとても魅力的な仕事です。それにも関わらず「教師という職業の将来に不安がある」「教員不足に危機感を持っていて仕事を続けるか悩んでいる」などと考えている人もいるのではないでしょうか。

教員不足のいま、教師を続けるべきかどうか悩む人のために、教師不足の原因と続ける理由、教員不足の不安を払拭するための備えについて高校教師歴10年以上の松梅タケが詳しく説明します。

いま、教員不足で悩んでいて仕事を辞めるべきなのか悩んでいる人はぜひ参考にしてください。

教師不足の原因とは

教師が不足している原因ってなんだろう?

文部科学省の「教師不足に関する実態調査教師不足に関する実態調査」によると中学校の「教師不足」人数の合計は722人です。もちろん100%を超えている都道府県もありますが、比較的多くのところで必要な教員数を下回っています。

アンケート調査では、「教師不足」の発生要因として「見込み数以上の必要教師数の増加」が教師不足の原因として上げられています。

要するに、想定していたよりも

  • 産休・育休の増加
  • 特別支援学級数の増加
  • 病休者数が見込みより増加

以上があったことが原因です。

 

ほかにも「上限いっぱいの勤務時間」「部活動での休日出勤」などを理由に、止まらない教員採用倍率の低下や、臨時的任用教員のなり手不足があります。

教師の仕事が勤務時間が長く、ブラックな環境にあることが認知されたことで教員のなり手が減ったことも理由の1つでしょう。

マスコミが教師同士のイジメなど、ネガティブな報道を繰り返したことも世間的に良くない印象を与えたよね。

参考:なぜ教師の仕事は長時間になってしまうのか?教師歴10年の筆者が語る 

 

教師を続ける理由

教師不足で過酷な教育現場ですが、そんななかで教師を続けている人たちのモチベーションは一体どこから来るのでしょうか。

教師を続ける理由には下記のようなものがあります。

  • 収入が安定、社会的信用がある
  • ローンが組みやすい
  • 子どもの成長を身近で見れる
  • やりがいがある
  • 子どもの憧れとなる存在である
  • 部活指導がしたい!

どれも、教師という仕事の魅力ですね。

子どもたちの人生に大きな影響を与え、子どもたちの力になれる教師という職業にやりがいを感じている人がたくさんいます。

実際私の同僚のなかには「幼少期、自分がお世話になった恩師のような存在になりたい」「部活指導がしたいから教師になった」なんて人も多くいました。

今後、教師を続けると起こるであろう未来

教師不足で起こる未来のまとめ

教師不足という現実に

女性困り顔
このまま教師を続けても大丈夫かな?
男性普通顔
教師という仕事に興味があるけど、今後どうなるんだろう。

などと、教師の将来に不安を感じている人もいるのではないでしょうか。

そこで、今後教師を続けていくとどのような未来が待っているのか、予測してみました。

個人的な予測も含んでいるので、あくまでも参考程度にご覧ください。

働き方改革により仕事は楽になる?

個々の多様な事情に応じた柔軟な働き方を促進する「働き方改革」。

文部科学省は一般向けの企業とは別に『学校における働き方改革』についても議論を進めています。

具体的には、時間外労働の上限規制や週に1回以上を法律で定められた休⽇としました。他にも、1ヶ月で残業は45時間まで1年間で360時間以内としました。

とはいえ、残業を禁止されても仕事の量はそのまま。持ち帰りの仕事が増えるだけです。

時間外労働の上限規制を規制するだけでは、根本的な問題解決には至りません。

詳しくは「教師の長時間労働について」という記事で書いていますが

  • 教員の仕事量を見直す
  • 休日の部活動をどうするか
  • 事務作業を委託するなど仕事量を減らせないか

これらの問題も見直す必要があります。

 

そのためにも、まずは教員の労働時間を正確に把握することです。

そして、事務作業や部活指導の外部委託や時短職員の採用など、教員の仕事量を減らす必要があります。

宿題のチェックや丸付け、学級通信の作成などは、事務職員でも対応可能ですよね。

教員の負担を減らせる工夫を進めていければ、働き方改革により仕事は楽になります。

そしてこれは個人では同僚を身代わりに・・・・・・・・して減らすことしかできませんので、抜本的に変えてほしい部分でもあります。

参考:
厚⽣労働省|時間外労働の上限規制わかりやすい解説
文部科学省|全国の学校における働き方改革事例集(令和4年2月)

教師の質の低下による世間からのイメージダウン?

ひと昔前は、「教師=聖職」というイメージがありましたが、いまは教師の質の低下がマスコミで報道され、世間からのイメージダウンが否めません。

子どもたちが「将来教師になりたい!」といったら「つらくないかな。大丈夫かな?」と少し不安に思う保護者もいるかもしれません。

今後、ますます教師のなり手が減ってしまったら、教師の質がさらに低下する可能性は十分に考えられます

今でさえ、教員免許を持っていれば採用試験に不合格でも教職につける常勤講師の存在があります。全員が全員ではないので一概には言えませんが、教員としての質の保証という意味では低下の一助を担っていると考えます。

参考:常勤講師を続けようか悩んでいる先生へ、メリット・デメリットのまとめ

 

教員不足に対する備えを始めてみませんか?

備えあれば憂なし!いざという時のための準備を!

ここまで、教師の未来に対して不安を感じるようなお話をしてきました。

しかしそれでも、教師という仕事はやりがいも多くこれから働き方改革やさまざまな法案によって変化することでしょう。

今よりもいい方向に変化することだってもちろん考えられます。

女性困り顔
それでもちょっと教師を続けていくのは、将来的に不安だな。

という人のために、教員不足に対するリスクを最小限に抑える方法を紹介します。

それが以下の3つです。

資格の取得でスキルアップ

教員に不安を感じるようになったらまずは「資格の取得でスキルアップ」を目指しましょう

教師の多くは、教員免許と運転免許しか持っていませんから、潰しが効きにくいです。

資格勉強は、いまの自分自身のスキルをあげて仕事をより効率的にスピーディーに進められるようになります。

勉強の結果、違う職業への転職に興味が出る…なんてことももちろんあるでしょう。

 

ほかにも、資格があることで転職に有利なプラス評価をもらうことができます。

教師のスキルアップにも役立つ、資格の情報は下記で詳しく説明しています。

ぜひそちらも参考にしてください。

 

転職の準備をすることで、心に余裕を持つ

教師という仕事に不安を感じたら、いつでも転職できるように準備を始めましょう

転職はリスクが伴いますが、転職活動はノーリスクでおこなえます。

いつでも教師を辞めて民間企業に転職できるんだと思えば、教師という仕事に不安を感じることなく毎日が過ごせると思いませんか。

もちろん、必ず転職をする必要はありません。転職の準備をすることで心に余裕を持つことができます。

  • 転職エージェントに登録する
  • 転職に関する情報収集をする

たったこれだけです。転職エージェントへの登録は無料で3分もあれば簡単にできます

転職という選択肢を持つだけで、精神安定剤になるので、心に余裕が持てました。

参考:教師を辞める前に読んでほしい、不安に思う情報まとめ

 

教師不足を嘆くより自分を変えることが一番の解決策

教師不足の今、教師を続けるべきか辞めるべきか

現在、教員不足だと感じている学校も多く、1人の先生に対する負担も大きくなっています。教師を続けるべきかどうか日々悩む人もいるでしょう。

この記事では教師不足の原因や今後教師を続けていくと起こりえる問題について解説しました。

個人でできる対策としては、仕事を断ったり、資格を取ったり、転職活動したりするのが良いですね。要するに、事前にリスクに備えることが重要です。

やはり、教師不足を嘆くより自分を変えることが一番の解決策だと感じています。

資格を取得し、自分自身のスキルアップをがんばるもよし、転職の準備を粛々と進めるのも1つです。

今後、働き方改革がうまく進み、教員や教師を目指す人たちが働きやすい環境になることを願っています。