頑張っているのに、仕事に追われて終わる気がしない。
本当はしたくないのに、ついつい仕事を任されちゃう。
そんな風に思って、毎日の教師の仕事をこなしていませんか?
教師の現場は、仕事が出来る人のところにじゃんじゃん仕事が舞い込んできます。
さらに、若いというだけで判断されて仕事を振られる職場でもあります。自分が望んでいなくてもね。
場当たり的に教師の仕事をこなしていくのではなく、はじめから自分のすべき仕事だけを最高のパフォーマンスで行う。
この本をしっかり読み込んだら、きっと教師のだれもがもっとイキイキして仕事が出来るようになるはずです。
働き方に悩む教師におすすめの本|エッセンシャル思考
あなたは、エッセンシャル思考という本をご存知ですか?
エッセンシャル思考とは、全米でベストセラーになるほど有名な本です。
控えめに言って、「教師なら一度は読んでほしい!」と思える良著です。
本のジャンルは自己啓発になるので、

と思う人は、内容が要約された(読みやすい)漫画版もあります。
漫画版では小学校教師の主人公が、エッセンシャル思考を身につけ、その考えを実践していく様子が描かれています。
今の日本の教師にこそ知ってほしい! 読んでほしい! と感じました。
小学校教師の抱える闇は、深いですからね。
毎年無駄な仕事が増えて、一向に減らない小学校教師の仕事量。理不尽な保護者や児童からのクレーム、機能していない管理職。教師を人間と思ってもらってないような、扱い方や社会風土。 小学校教師に限ら[…]

この本では
- 99%のノイズを排除して、1%の本質のみに注力する
- 最少の時間で、最大の成果を得る
- より少なく、しかしより良く
- これらの考え(エッセンシャル思考)がどれほど素敵で、いかにエッセンシャル思考を身につけて実践していくか?
について、大きく4つの単元に分けて書いてあります。
無駄なことに、力と時間を注いでいませんか?
毎日仕事は盛りだくさん、休憩時間もない。しかも、やることはどんどん増えてるってのに・・・。

そう考えてしまうあなた。
それこそまさに、非エッセンシャル思考になっています。
本の言葉を引用すれば「その仕事と結婚しているわけじゃないんだからさ。」って状態です。
一度きりの人生、誰もがなれる訳じゃない教師という仕事についている。
せっかく教師になったんだから、人生の豊かさも手にしてほしいし、仕事にやりがいも見出してほしい。
けれども時間は有限で、あなたは一人では出来ることが限られている。
だからこそ、仕事をしていく上で何かしらを捨てていく(犠牲にする)。
しかし多くの人は、間違った基準で誤った選択をしてしまう。
例えば、忙しいから本を読む時間を無くした、みたいにね。
消極的な基準で選んでしまうと、中途半端な結果を残すか自分を押し殺して仕事をすることになります。
例えば消極的な基準として、先ほども取り上げた「忙しいから(出来ない)」というものがあります。
この理由で
- 生徒からの気軽な相談に乗ってあげられない
- 日々の授業準備に時間が取れない
こんな風に感じている教師が多いと思います。
逆に、相手を傷つけたくないから不本意なイエスを言ってしまうって教師も多いでしょう。
それによって、不必要な仕事が増えています。
不必要な仕事が増えすぎたせいで、プライベートが犠牲になっていく。
教師の1日。教師として働いていると毎日の激務に追われて振り返ることがなく、教師以外の人からすると教師は「忙しい、忙しい。」っていうけど、実際どうなんだろう?と、なかなか想像しにくいようです。[…]
今のあなたが本当にすべきことはなんですか?
これを見極めずに(深く考えずに)場当たり的に仕事をこなしたり、すべてやろうって多くを望んだりするほど、得るものが少ないという状態が待っています。
過去の私も月の残業時間が80時間以上のような働き方をしてきたので、よくわかります。

働き方に悩んでいる教師たちはひょっとすると
という状態に陥っているのかもしれません。
時間だけはものすごくかけているので、心の中では


なんて思ってしまいます。
無駄な力と時間を注いでいる、このことに気づかず闇雲に仕事をしたところで、行き着く先は
- もう辞めようかな
- 安定のためだけに、サラリーマン教師続けようかな
と考えるだけですよ。
民間で働いていたとしても、おいそれと踏み切ることが難しい転職。教師ならばなおさら教師から転職して、うまくやっていけるのだろうか?と、不安になりますよね。 そんなあなたのた[…]
しかし、今のあなたは私と違ってまだ教師を続けていますよね?
今ならまだ間に合うかもしれません。
- 上手く優先順位を付けることが出来ない
- 取捨選択ができない
というあなたにこそ読んでほしい、そんな1冊がエッセンシャル思考です。
ミニマムに生きよう! 好きなことだけ仕事しよう! とはチョット違う
エッセンシャル思考の一つに
と言うものがあります。
これだけ聞くと、なんだか

と感じる人もいるかもしれません。
「ミニマムに生きよう! 好きなことだけを仕事にしよう!」と思うのではなく「自分の全力を何に注ぐべきか?」これをキチンと考えて、全力を注ぐべきもの以外、捨てようってことなんです。
多くのことが無駄だから切り捨てなさい、ってことじゃ無いんです。

時間や力、作業量などあなた自身のリソース(資源)には限りがあるので、どの仕事に注力するのかが大事になります。
- 細々と生きよう
- 小さくまとまろう
- 必要最低限に生きよう
- 好き嫌いで仕事を選ぼう
と言っている訳じゃありません。
本当にやるべきことを見極めて、教師の仕事をしていこうってことなんです。
教師の働き方にエッセンシャル思考が必要だと思う理由
この本で取り上げられている内容のうち、個人的に
と思える内容が多々あり、エッセンシャル思考が教師の仕事に活かせそうなポイントがいっぱいあります。
教師の働き方に、エッセンシャル思考はどう活かすことが出来るのか?
私が実際に本を読んで活かせそうだなと感じたのは、以下の2点です。
現状維持バイアス(189ページ)とトレードオフ(68ページ)
教師の現場は良くも悪くも、慣習がはびこります。
そのくせキャリア教育やアクティブラーニングのように、教育の質を向上させる取組だけがどんどん上乗せされていく。
学校の風土や管理職の考え方によりますが、学校の現場では
- 今までの取り組みは正しい
- さらによくするため、新しいことまたは耳障りのいいことは、どんどん取り入れたい
って考えます。
もちろん新しい(素晴らしい)取り組みは推奨するべきだし、本当に生徒にとって必要な内容は取り入れるべきです。
しかし、何か新しいことを始めるなら、代わりに古きは捨てるって事をしなくちゃいけません。
この、捨てるってことが教師は苦手です。
自分たちのやってきたことが、実は無駄だった(かもしれない)と認めたくありませんからね。
たとえば私の場合。
本当に必要か? と悩んで捨てたものに年度当初の家庭訪問があります。
慣習に流されて、当然やるべきものと考える教師が多かったですが、私は家庭訪問の意義を見つめ直し、年度当初に家庭訪問をする意味はないと感じました。
代わりにじっくり時間を取れるよう、学校や電話で話を聴く機会を得ることにしました。
エッセンシャル思考に書いてある言葉を拝借すれば、こうです。
「いつもやっているから」という理由だけで続けても価値はないのに、なんだかやめるのは気まずい。だからこそ「どうやったら、どちらもできるか?」を考えてしまう。
このことを本では、現状維持バイアスとトレードオフって表現しています。
教育の現場では、あれもこれも無秩序に積み重ねたがります。
- 昔からやっている
- 一定の効果が得られている
なら、なおさらです。
これらをどのように選別し、捨てていくと良いのか。
それが、エッセンシャル思考を読むとよくわかります。
バッファをとる(218ページ)、早く・小さく始める(251ページ)
あなたはこんな経験ありませんか?
せっかくの空きコマ、たまっていた仕事を片付けようと作業に取り掛かると、すぐに電話が鳴って

じっくり話を聞いていたら授業の時間、結局したかった仕事は後回し。
授業が終わり、先ほどの仕事の続きをしようと思ったら今度は管理職から呼び出し。


そんなことを考えていたら、もうお昼。
5分やそこらでご飯をかきこみ、一息つこうとしたらクラスの生徒がやってくる。

話をじっくり聞いていたら、あっという間に昼休み終了。
昼からは、授業3連発。
ようやく一息入れられると思ったのも、つかの間。

お客さんの対応していたら、チャイムが鳴る。
帰りのSHRにいって、掃除の時間をこなして、あっという間に部活の時間。
だらだらしていた部員に喝を入れていたら、いつもより長引いてしまった・・・。


そう考えて、仕事に取り掛かる…。
こんな毎日を繰り返していませんか?
教師の1日。教師として働いていると毎日の激務に追われて振り返ることがなく、教師以外の人からすると教師は「忙しい、忙しい。」っていうけど、実際どうなんだろう?と、なかなか想像しにくいようです。[…]
これで何を伝えたかったのか?
仕事というのは、そのほとんどが自分の思い通りに進まないってことです。
ついつい私たちは、作業効率や〆切を曖昧に見積もって土壇場にならないと頑張りません。
しかしこれでは想定外のことが起こった場合、今やるべきことが後回しになってしまいます。
当たり前ですが、後に回した仕事は時間外労働に集約されていきます。
では、どうすればよかったのか?
私たちはついつい最善の事態で計画し、取り組んでしまいます。
教師の仕事は、自分の思い通りに進まない仕事ばかりです。
しかし、そのことを忘れて

こう考える。
しかし予定はズレる。
ズレたことによって、仕事がさらに増える。
その結果、やることが一向に減らない。

バッファ(buffer)とは、緩衝材や一時保存する領域を意味する言葉です。
ビジネス用語としては、余裕やゆとりなんかの事をいいます。
教師は空きコマがバッファとして利用できます。
あとは見積もり(計画)さえ見誤らず、まとめてやろうとしなければ、全てがうまく回り出します。
まとめてやらないようにするためには、小さく始めること・早く始めることが大事です。
もちろん、仕事の絶対量を減らすために「拒否する(164ページ)」ことも、大事ですね。
私は部活と不必要なつきあい(飲み会)を真っ先に切りました。
これだけで随分と教師の仕事が楽になったし、空きコマをバッファとして置いとけるようになりました。
何を切ったらいいかわからない場合は、参考にしてください。
今からお話しするのは長時間勤務上等!と考えていた高校教師の私が、どのようにして 残業ほぼ0 土日も基本休みこれらを可能にしたのか? というお話です。 定時[…]
ついつい人は
- 周囲によく見られたい
- 仕事ができる人だと思われたい、他人から良く思われたい
- このくらい短時間じゃないと、残りの仕事が片付かない
などの理由で、完成までの計画(期間)を短く見積もってしまうようです。
自分の思い通りには進まないはずだから、明日の空きコマ50分でコレ1つだけやろう。
今度の土曜の部活が終わったら、その日のうちに土曜の分だけ特業の書類書いておこう。
こうやって十分なバッファと、小さく早く始めることを意識してみましょう。
(まとめ)教師の働き方にこそ、エッセンシャル思考が必要
エッセンシャル思考には、わかりやすい図式もたくさん載っています。

学校は組織である以上、チームワークが重要です。
スタンドプレーでは、いい教育が出来ないと思っています。
そのためにもあなた自身が何に全力を注ぐべきかをはっきりさせておく。
生徒をまとめること(生徒理解)が得意な先生もいれば、教科指導が得意な先生もいる。
校務分掌で才能を発揮する先生もいれば、部活指導で成果をあげたいと思っている先生もいる。
みんな合わせて、チームとなって教育に携わる。これが本当のチームとしての教育だと思っています。
みんなが万遍なく(中途半端な成果で)同等に生徒と向き合う必要はありません。
今の教師は、本当にやるべきことが多く、精神的にも体力的にも消耗しきっています。
もしも今のあなたが、教師としての働き方に悩みがあるなら、ぜひとも「エッセンシャル思考」を一度でいいので読んでみてください