安定と言われる教師(公務員)の立場。
昨今の情勢により、公務員への希望も増えているんだとか。
理由は様々でしょうが「教師の給料、年収、退職金」って、気になるものです。
そこで本日は高校教師歴10年以上の松梅タケが教師の給与や退職金について、私を例に情報を共有したいと思います。
動画でもわかりやすくまとめていますので、端的に知りたい人はこちらをご覧ください。
教師の給料(私の場合)
- 地方都市
- 30代
- 高校教諭(全日制普通科)
- 扶養あり
- 教諭年数7年
- 前歴加算は特に無し
私はこのような環境で、教師をしていました。
コロナ影響前なので現在とは大きく違う内容も出てきますが、参考になる部分も多いと思いますので私の経験を元にお話していきます。
そんな教諭時代にもらっていたお給料は、私の場合平成28年度で手取りで約27万円。
同じ30代だとしても
- 前歴加算の有無
- 地方部・都市部
- 校種(小中高)
などの違いによって、基本給が1割~2割ほどは変わります。
参考までに学校種別で(30代に限らず)教師全体の給料の違いを紹介しておきます。
教師の平均給料月額の違い
区分 | 幼稚園 | 小学校 | 中学校 | 高等学校 |
---|---|---|---|---|
平成22年度 | 221,800円 | 349,900円 | 355,200円 | 372,800円 |
平成25年度 | 219,600円 | 331,600円 | 339,900円 | 357,100円 |
平成28年度 | 222,500円 | 336,200円 | 346,000円 | 362,900円 |
手当についても同様です。
扶養の有無や通勤方法で、当然大きく変わってきます。
- 工業科免許所有で工業科教諭であれば、いわゆる「産振手当」という手当が自動的に付きます。
(昔は給与の10%、今は5%。結構大きな額ですよね。バブル時代の名残です。) - 全日制じゃなく定時制であれば、「定時制手当」が自動的に付きます。
(こちらも、今は5%になっているところが多いかな? 昔は10%だったけど。)
このように同じ教師と言えど額面は変わってくるし
- 同じ30代教師でも、地域や校種によって基本給が1~2割ほどは違う。
- 同じ30代高校教師でも、工業科や定時制であれば自然と付く手当もある。
基本給の変化
例えば、平成23年4月と平成28年4月を比較して見ると
- 平成23年4月 245,128円
- 平成28年4月 302,848円
教師の毎月の給料は、基本給が5年間で約57,000円もUPしています。
平均すれば、毎年11,400円のベースアップをしたということですね。
もちろん年齢差・地域差・校種の関係で、もっと上がる人もいれば、さほど上がらない人もいます。
仮に高校教師を6年間続ければ、182,000円×6年=約109万円。
教師を続けて当初より年収が100万円UPするのは、採用6年後になります。
これは私が特別でもなんでもなく、教師の給料UPはだいたい
- 30代後半から40代前半が上げ幅のピークで
- ピーク時には、約13,000円/年ベースUPする。
と言われています。
毎年3〜4月に春闘などでベア(ベースアップ)の話題が上がりますが、せいぜい3,000円程度でしょう。
民間の昇級のペースから考えると(年で1万円近くアップする)教師は恵まれているかもしれませんね。
1年で10,000円以上も継続して基本給が右肩上がりで上がっていくのは、中小企業や零細企業または派遣業などでは、なかなか考えられないことです。
このあたりが
と良くも悪くも言われるところですね。
教師の手当や手取りについて
上で説明したように、基本給を軸に
- 通勤手当
- 扶養手当
- 特業手当
などの手当が付く。
そこから
- 所得税
- 共済組合短期(健康保険料)
- 共済組合長期(年金)
などの、いわゆる税金関係(社会保険料)が引かれます。
1日8時間の就業時間を超えた場合に支払われるべき残業代は、教師には、1円たりともありません!!
・・・っと。こうやって言い切ると、ちょっと語弊がありますか。
一応は「教職調整手当」というかたちで、いわゆるみなし残業代として基本給の4%は給料の中に入っています。
私の給料でいけば、教職調整手当の額はだいたい12,000円くらいでしょうか。
今(教師の長時間勤務や過労死で)問題となっている背景には、教職調整手当が実情(の残業時間)とかけ離れすぎている、ってのもあります。
そりゃ、1日あたり600円の残業代ですからね。
義務教育等教員特別手当というのは
教員の給与を一般の公務員より優遇することを定め、教員に優れた人材を確保し、もって義務教育水準の維持向上を図ることを目的
このような目的で「人材確保法」に基づいて決定された手当のことです。
この「義務教育等教員特別手当」は、義務教育教諭に限らずすべての教職員に、給与の号給によって決められた一定の金額が支給されます。
ちなみに私の義務教育等教員特別手当は4,300円でした。
さっきの教職調整手当と違い、給与明細に項目が出ている人も多いと思うので、もらっている額がすぐにわかります。
4,300円多く払えば(教員として)優れた人材が確保できる、っていう意味もよくわからないけどね。
教師の特別業務手当は時給300円?
教師は残業代が出ない、とりあえずここまではOKですよね?
このことが、同じ公務員でも役所勤めの人とは違います。
一方で(流石に?)、その額で土日まで働かせるのはどうなんだ? ってことで、土日の勤務(主に部活動)には別の手当がつきます。
特別業務手当(通称、特業手当)と言います。
これは都道府県単位(条例)で制定していると思うので額は変わってきますが、一般的に
あればいい方です。
ちなみに、土日祝の部活(に伴う)業務は
- 特業手当をもらうか
- 代休・振休といった休みとしてもらうか
いずれかを選べます。
テスト前・テスト期間中・長期休業中などで休みが取れそうなら、時給300円を受け取らない代わりに休みとしてもらうのも悪くないかもしれません。
余談ですが、特業手当である時給300円というは、警察や消防などの残業代と同じと聞いたことがあります。
教師の特別業務手当は、常に危険と隣り合わせの人達と同じ金額。
そう考えれば、土日の部活指導を押し付けられている先生も、それなりの励みや重みは持てますかね…。
教師の給料まとめ
30代前半、地方で暮らしている教師の基本給は約30万円。
そこから手当や税金を足したり引いたりしていくと、30代前半の教師の手取りはおよそ27万円。
これが、教師の給料です。
教師の全国平均給料はどうなのか?
私が田舎に住んでいるので、全国平均の話もしておきましょう。
上のグラフは、年代別の高校教師の平均年収を表しています。
グラフによれば(一番左)、高校教諭の平均年収は約650万円です。 (男性約706万円、女性約590万円)
ただしこの額は50代の人数が多いことと、50代の年収額が大きいことによってだいぶ上にズレている額でしょう。
私と同じ30代前半で見てみると、平均年収は約520万円です。(男性約545万円、女性496万円)
この額はあくまで基本給ですので、手取りで考えれば450万円~500万円といったところに落ち着くハズです。
もちろんこの金額は、教師の平均額。
- 財政が潤っている都道府県・市町村であれば、1~2割増。
- 反対に、私の自治体みたいなところであれば、1~2割減。
という、増減はあります。
民間の平均年収(全世代)が400万円台のご時世ですので、教師は30代にしておよそ民間の平均以上はもらっている、と言えそうです。
教師の給料について、まとめ
本日の内容をまとめます。
- 30代教師の毎月給料は27万円
- 全国平均でいえば、30万円
- 教師の年収は6年間で約100万円以上アップする
- 教師なら30代で民間の平均は稼いでいる
今この記事を読んでいらっしゃるのが、教師かどうかはわかりません。
しかし、もし私と同年代の教師であるならば、本記事をきっかけに、今一度ご自分の人生やライフプランなどを見直してみてください。